今回は私の大好きな小説家の一人である原田マハさんの、ぜひ読んで欲しい小説をご紹介します。
美術館に努めていた原田マハさんはフリーのキュレーターとして独立し、その後小説家として活躍します。またかなりの食通でもあり食のセレクトショップも運営されています。小説はほぼ事実に基づいた画家の人生やキュレーターをめぐる物語、美術に関係する内容などの物が多く、また他にも恋愛や家族愛、食に関係する物語や、旅や女性のサクセスストーリーなど、多様なジャンルにわたってたくさん書かれています。どの作品もとても感動的で内容も深く、驚くようなマハさんの才能を感じざるを得ません。
ぜひ1冊でも手にとって読んでいただけたらと思います。あなたの好きなものからぜひ読んでみてくださいね。
原田マハさんのおすすめ小説
これからいくつかの小説をご紹介しますが、順番はあまり関係ありません。解説を読んで気に入ったものから読んでみて下さいね。
1.楽園のカンヴァス
原田マハさんの代表作といっていい作品です。ニューヨーク有名美術館のキュレーターの助手であるティムと、フランスのルソー研究家の織枝の二人の主人公が、フランスである有名絵画収集家に招待されルソーの作品の真贋の調査を依頼されます。そしてこの二人が人生をかけてこの絵画の真贋調査をします。またルソーの苦悩の人生なども書かれており、スケールも大きく、ドラマチックで感動的な内容になっています。
私が原田マハさんの作品で一番初めに読んだものなのですが、あまりの内容の濃さにに原田マハさんのファンになりました。私は絵画の知識もなくどのような世界なのかも分かりませんでしたが、当時の画家たちの生きざまやその絵画に携わる人々の世界を覗かせていただいた気がしました。人の欲望の世界を超えた絵画に対するひたむきな愛情をとても感じさせられた作品です。
2.<あの絵>のまえで
初めて読む方にもおすすめな短編集で、とても読みやすくさらっと読めてしまいます。わりあい身近な物語ですが、小くても本当の幸せというものを気づかされ、感動が凝縮されています。原田マハさんらしく、また題名にあるように一つ一つの物語に一枚の絵と向き合う主人公の姿があります。ほっと一息つきたい時に癒しになるような一冊です。
3.カフーを待ちわびて
沖縄の小さな島で明青は小さな雑貨店をしながら犬のカフーと裏の巫女のおばあと孤独に暮らしていました。そしてある日一通の手紙が。そこには「あなたのお嫁さんにして下さい」という内容が書かれていました。それは以前明青が旅行に行き神社で絵馬に「嫁に来ないか」とふざけて書いた返事でした。沖縄の美しさと優しくせつない物語。真っ直ぐで感動的な2006年第1回ラブストーリー大賞を受賞した作品です。。
4.キネマの神様
ある大手映画配給会社の女性課長である主人公。忙しさに脇目も振らず走り巡っている間に、嫉妬の煽りを受け退職するはめに。
同時に高齢のギャンブルと映画が大好きな父親が心臓病で緊急手術をすることに。失業に重ねて父親の借金が発覚。ここまでを読むとどんな悲惨な話なんだと思えてしまいますが、これがすごい展開になります。どうなるかは読んでからのお楽しみです。
家族愛と友情、かつてある映画館の切符のもぎ取りをしていたらしい原田マハさんの映画に対する愛情が込められた作品です。
5.スイートホーム
題名の通りとてもスイートな物語。高台にある大人気の洋菓子店の家族や、周辺に住む人々を主人公とした愛に満ちあふれた心温まる短編集。読んでいるうちに、心がぽかぽかして思わずほほ笑んでしまいます。そして美味しそうなスイーツが浮かんで食べたくもなっちゃいますよ。
6.生きるぼくら
母子家庭で学生の頃いじめにあいのそまま引きこもりになってしまった主人公。ある日母親が置手紙をし家出をしてしまいます。残されたのはわずかなお金と何枚かのはがきでした。はがきを見てみるとその中には大好きだった父方のおばあちゃんからで、文面には余命が短いと記されているいます。いてもたってもいられなくなり、電車に乗っておばあちゃんに会いにいきます。自然や出会う人々を通して少しずつ成長し変わっていく主人公。やがて引きこもりからすっかり立ち直りすばらしい青年になっていきます。
自然の素晴らしさ、人々の温かさを感じる感動の物語。デジタル機器がそばに無いことがあり得ない時代になりましたが、もっと大切なものがあるんだと感じさせてくれる作品です。
7.本日は、お日柄もよく
涙なしには読めない感動の物語。平凡で特別取柄もないOLの主人公が、ある出会いをきっかけに「スピーチライター」になります。言葉というものの大切さ偉大さを感じさせ、まっすぐでとても感動的な心にしみる物語です。こちらもぜひ読んでいただきたい一冊です。
8.常設展示室
原田マハさんの数少ない短編集。私の大好きな一冊で何度読んでも感動します。絵画に係る女性達の物語。主人公たちはとってもキラキラしていて、それぞれの感動的な人生を描いています。特に最後の話が個人的には好きなのですが、読了後には何とも言えない感慨深さが残ります。薄くて読みやすく原田マハさんの本の初心者の方にもおすすめの1冊です。
9.たゆたえども沈まず
ゴッホとゴッホの弟テオ、そしてフランスに日本美術を広めた画商である林忠正と架空の人物の加藤重吉を中心とした物語。19世紀当時フランスでは日本美術が徐々に世の中で認められつつも、印象派はなかなか認められず、ゴッホとゴッホの半身のような弟テオが周りの人々に支えられながら愛と苦悩の日々を送ります。大まかなストーリーは事実にもとづくものですが、詳細はフィクションでドラマチックで感動的な内容になっています。登場人物たちの心の動きも詳細に描かれ、時代的背景など物語の世界に引き込まれ、最後は涙なしには読むことはできないでしょう。私にとっても大好きな作品です。
10.暗幕のゲルニカ
ピカソが描いた「ゲルニカ」をめぐるとてもドラマチックな物語。2003年ニューヨークでイラクに攻撃を宣言する国連本部で、背後にあった「ゲルニカ」のタペストリーに暗幕が掛けられた!1930年代のピカソと、「ゲルニカ」を作成するその過程を、記録していくピカソの愛人だったドラの物語。そして2000年代9.11テロで夫を失った、MoMAのピカソ研究家の女性キュレーターの物語が交錯しながら物語が進みます。故郷であるスペインが陥落され「ゲルニカ」を作成したピカソの想い、そして反戦のメッセージを伝えるために、世界に「ゲルニカ」を展示しテロリストから守るためにMoMAに「ゲルニカ」を託します。
原田マハさんのおすすめ小説まとめ
それぞれの話をもう一度読み返しても本当に感慨深いものがあるほどに、濃くて深い内容のものばかりです。そういったものが好みではなくあっさりとさらっとしたものが好きな方もいると思いますが、原田マハさんの作品にはそんな作品もあるのです。ぜひ感動の一冊を読んでいただけたらと思います。


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