韓国のキムジャン(キムチ漬け)の話
韓国の名物 キムチ
韓国の食べ物で一番有名なものといえば、もちろん“キムチ”ですよね。今では日本でもキムチが人気になってスーパーにたくさん並べられています。
韓国の空港に降り立つとまず「なんだこの匂いは?」と誰もが思うのではないでしょうか。何の匂いかというとニンニクの匂いですよね。そのくらい韓国では食事の度にキムチを食べます。発酵食品だし、辛いと言われる“唐辛子の粉”にはビタミンも多く、味も豊かでとても美味しいですよね。
辛いから苦手という方もいるかと思いますが、実はこの辛さの元となる唐辛子の粉(고추가루)には辛い物も、全く辛くない物もあって調整可能なんですよ。
ではこの“キムチ”が韓国でどうやって作られるのか、またそれに付随したお話もしたいと思います。
キムジャンて国民行事なの⁇
毎年11月~12月上旬頃になると韓国では家庭ごとに“キムジャン(キムチを漬けること)”をします。この時期が白菜の収穫時期で安いし、美味しいからですね。
国民行事で休みになる?とかはもちろんありませんが、キムジャンは国民行事といっていいほど、韓国ではすべての家庭がキムチをつける大切な仕事なのです。
一人で漬ける家もありますが、たいがい親戚や家族で女性達が集まって大量のキムチを漬けます。
最低30株ぐらいを漬けるのですが、事前に大量の白菜(배추)、唐辛子の粉(고추가루)、ニンニク(마늘)、生姜(생간)、イワシのエキス(액젓…日本のしょっつるのような物)、また他の必要な野菜を全部買って準備しなければなりません。
またイワシのエキスは市販ものもありますが、お魚で作ったエキスを家庭によっては手作りしたり、梨を入れたり、牡蠣を入れたりとそれぞれ家庭の味があります。
もちろんいろいろな事情があって作らずに市販のキムチで済ませる家庭もあります。割高ではありますが、意外と美味しいです。まあそれ程キムジャンは重労働と言っていいほど大変な仕事です。
キムチの保管はどうするの?
このキムチを大体次の年の夏ぐらいまで食べるのですが、家庭によっては次のキムジャンまで食べる家もあります。だから大量に作るんですね。
保管は見たことがあると思いますが、항아리といって壺のような入れ物に入れて、涼しい所に保管します。ですが、最近はマンションなどが多いので、항아리の置く場所に困ったりもします。
ですので最近は김치냉장고といってキムチ用の冷蔵庫を、みんな買って使っています。キムチに一番適した温度で保管ができる優れものです。キムチは長期で保管するとだんだん酸味が強くなるので、保管状態がとても重要だと言えます。若い人たちはこの酸っぱいキムチが苦手という人も少なくありません。その場合キムチチゲにしたり、炒めて食べたり、ヤンニョムを洗い流したものをサンチュの代わりにお肉を包んで食べるなど、いろいろな工夫をして食べたりもします。
キムチの種類ってどんなものがあるんだろう
(左から:각투기、총각김치、파김치、たぶん小さい배추김치、물김치、배추김치)
キムチの種類には배추김치(白菜のキムチ)、오이김치(キユウリのキムチ)、각투기(大根のキムチ)、파김치(小ネギのキムチ)、갓김치(からし菜のキムチ)、총각김치(小さな大根のキムチ)、열무김치(大根若菜のキムチ)、물김치(水キムチ)などがあります。
오이김치、각투기、파김치、열무김치、총각김치、물김치などはキムジャンの時期でなくても必要な時に作ったりします。
またキムジャンをした日の夕食は、豚肉の塊を煮て食べます(チャーシューに似ています)。この漬けたてのキムチを味わうためですね。薄く切ってサンチュに包んだり、キムチと一緒に食べるとこれがもう最高なんです!
日本にはないような大きなタライ
このキムジャンをするために欠かせない必要なものがあります。それは大きなタライと大きなザルです。たいがいどの家庭にもこの大きなタライが2つか3つはあります。直径80cmくらいありますね。昔日本でも洗濯などに使ったでしょうか。そのくらい大きなものです。
そして私も最初は本当にビックリしたのですが、近所にお店が開店したりするとなんとこのタライを開店祝いとしてくれたりするんです。これは韓国にしかない独特なものではないでしょうか。
韓国のキムジャンの話まとめ
私も時々休みの日に一株ぐらいを漬けますが、一株でもけっこう大変なのに韓国の女性は本当にすごいなって思います。最近は漬けたキムチが売っているので、わざわざ漬けない人も増えてきていますが、やはり手作りのキムチは絶品です。
キムチのレシピを載せました。みなさんも作れるように白菜の4分の1くらいを漬けてみました。写真に撮って分かりやすく説明していますのでぜひ一度作ってみて下さい。
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